GORE-TEXに独占禁止法の疑い

先週の話だけど、「コロンビアスポーツウェア」がGORE-TEXの開発元、「WLゴア・アンド・アソシエーツ社」を独占禁止法の疑いで正式に告発したようだね。

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概略は、

ハイカーやハンターは防水性、透湿性が高くアウトドア・スポーツに欠かせない素材であるゴアテックス製品にプレミアム価格を払うことに慣れてしまってい る。しかし一部の競合他社が、「ゴアテックス」の高価格は、ライバルを排除する違法な行為の結果だとして米欧の当局に告発した。

コロンビアの法律顧問曰く、

ゴアは長年にわたり、ゴアテックスより良質で安価な競合他社の製品を排除するため組織的なキャンペーンを行ってきたと認識している

関連して、GEもこのような主張をしているようで、

一方、ゼネラル・エレクトリック(GE)はゴアテックスと競合する同社の「eVent(イベント)」が排除されたと米連邦取引委員会に主張している。同社 は当初eVentがゴアテックスより優れているとしてマーケティングを行っていたが、2009年にブランド名を出さずに販売する戦略に変更した。当時GE は同社のブランド戦略に沿った決定だと説明したが、業界関係者の間では、ゴアがアウトドア用品メーカーに圧力を掛けたためGEが真っ向勝負を避けたとみら れていた。

詳しくはネタ元、6/22のウォール・ストリート・ジャーナル日本語版英語版)へ。

過去ならまだしも、既に防水透湿素材の市場でかなりのシェア(どこかでシェア70%という記事を目にした記憶が…)を誇るゴアテックスが、同程度、場合によってはそれ以上の性能を持つようになってきた他社素材・製品を「排除」するための「組織的な」何かをしてきたというのはちょっとね。市場競争の中ではある程度当然な部分もあると思うけど、その程度がね。ま、わかんないけど、実際どうなんだろ…。

昔はさ、「やっぱりゴアでしょ!」っていう考えが当たり前だったと思うし、実際それ以上のまともな防水透湿素材はなかった気がする。けど、今でもそのゴア神話みたいなのが根強く浸透してる感は否めないと思うんだ。最近は用途も多様だし、実用レベルでの各社素材の性能アップもすごい。だからTPOに合わせてより最適なギアが選べると思うだ。というか、選べる幅が広がったと言った方がいいのかな。いいモノ、たくさん出てきてるからね。まずはレンタルっていうのもありじゃないかな。

でもこうなってくると選ぶ方も少し大変かもしれないね。だって「ちょっと高いけどゴアを買っておけばまぁ間違いない」なんて考えはもう全くのナンセンスなんだから。あ、もちろんゴアテックスの性能は素晴らしいし否定してるつもりは全くないからね。現時点でゴアテックス製品の優位的な面はたくさんあるし、よってベストバイになる場合も多いと思う。それに頻繁に買い替えるわけでもないからさ、過去にゴアテックス製品を使用した経験があってそれに満足してれば、逆に他の製品に手を出すのは心配だし冒険だもんね。でもケースによっては、今はそれを再考してみてもいいんじゃないかなと思うんだ。

こう考えると、僕ら日本のエンドユーザにとっての貴重な情報源、各専門誌や小売店の在り方も重要な気がするね。特に国内は山ガールブームもあって、アウトドア業界には新しいユーザ層が増えてると思うし、そういったユーザ含め、より一層適切な情報とギアを供給し、業界をいい方向へリードしていってほしいと思ってる。

だからメーカーや小売が、ゴアテックス素材・製品を扱えるかわりに多くの制限を受け、それが僕らにとっての潜在的なメリットを奪うことになっているとしたら、それは業界にとって改善されるべき事象だと思うな。

まぁでも道具に関してはホントに色々な意見があるからね。みなさんは今回の件、どう思ったかなぁ?