サイドカントリーについて軽く小言をつぶやいてみる、の巻

イイ感じに降雪のある週末にも関わらず、親知らずの抜歯後でグッタリとした週末を過ごしておりますオイラでございますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

今日は、去年書こうと思ってたけどいつの間にかシーズンが終わってしまい、頭の片隅に放置されていた「サイドカントリー」のネタがふと頭をよぎったので、少しばかり小言を書いてみる事にしましたよ。あくまで小言だからね。

IMG 0872

まず最初に、自分は業界関係者でもないし(あくまでWeb界隈の人です)、冬季に限ってはいわゆるただのパウダー好きの自然愛好家なわけでありますが、そんな個人的な観点で物申させていただきますと、サイドカントリーなんて用語は、

ズバリ、ウンコ(おっと、失礼)だと言いたいわけであります!
( ー`дー´)キリッ

マーケティング用語としてのサイドカントリー

ここ数年(自分がはじめて耳にしたのは3シーズンぐらい前かなぁ)、徐々に露出度が高くなってきてる「サイドカントリー」という言葉。ここ最近でいうと、(自分が目にした中では)PEAKS11月号やFall Line 2013などでも枠が組まれていたかと思います。

「サイドカントリー」という用語は、個人的な感覚では、K2とORが中心となり、スキー場以上バックカントリー未満のパウダーエリアを新しいフィールドとして定義しているという印象を持っていますが(というか、例えばPEAKSの記事ではORのCEO、ダン・ノードストロームが実際にそう言ってるようですが)、まぁいわゆるマーケティング用語なわけです。もちろんマーケティング的にその分野を新たにカテゴライズして、そこにマッチしたギアを提供していこうぜということでもあると思っています。自分はマーケターでもなんでもないので、よくはわかりませんが。

まぁ全然悪いことじゃないですね。何というか、新しい市場開拓と考えれば普通の成り行きとも言えます。滑り手として彼らの言ってることもよく理解できるし、理念に対しても共感できる部分が多々あります。が、このサイドカントリーを実際にフィールドに当てはめると、いやいやそんなキレイ事でまとめられるわけないでしょ、と疑問を感じるわけであります。今の日本事情に当てはめると尚更に。

曖昧過ぎるサイドカントリー

一番不明なのが、バックカントリーとスキー場の中間レンジってなんだよって感じなわけです。管理区域なのか非管理区域なのか、ただそれだけだと思うんですよね。もちろん、それぞれのエリアは善でもないし悪でもない。問題なり得るとしたらその境界の管理であって、境界を行き来する場合の行動であって、そしてその行動をみる(観察する)際の視点だと思うわけです。そして何よりこの境界ってのは人間がかってにそう呼んでるだけであって、実際は非常に曖昧で、線引きできるようなものでも、管理できるようなものでもないんじゃないかと。

とはいえ、ここでいう管理区域は非管理区域(素の自然)と否が応でも接してるわけなので、あるエリアを「管理区域」として区別する(呼ぶ)からには、必然的に何かしら線引して、且つ自身で管理しないとけないわけです。非管理区域となる大自然様はそんなことまったく関係ないわけですから。ううむ、そう考えると、スキー場やパトロールには頭が下がりますね。たぶん、一般の人が考えるより相当に考慮すべき点があるのだと思います。

ということで、こういう実際の環境を考えると、ここに中間レンジなんてもの持ってきたら、もうワケワカラナイヨ。ワカラナイアルヨ!!

ちなみに、最近はどこぞのマスメディアのウンコ(おっと、またまた失礼)みたいな報道によって、スキー場周辺のBCエリアが「スキー場外」とか「コース外」とか適切でない表現で報道されることがあり、無駄に世間に叩かれることも多々ある気がしています。別にケンカ売ってるわけでなく、このあたりはホントになんとかしてほしいと思うわけです。

スタイルとしてのサイドカントリー

なので、昨今いわれているサイドカントリーは、そのフィールド次第、もしくは行程次第で、管理区域であったり非管理区域だったりすると思うんです。

最近だと、例えば、滑走するのは完全に非管理区域だけどリフト(とプチハイク付き)で容易にまわせるケースとか、非管理区域と同等なフィールドを提供してくれる管理区域でコンディション自体でオープンするケースとか、そのあたりがサイドカントリーと呼ばれてる気がします。後者は管理している企業や組織によって、ルールやポリシーの内容、厳禁さの加減が変わってくると思われますが、まぁでも管理区域ですね。(サイドカントリーといわれている大部分は非管理区域だとは思いますが。)

ということで視点を変えると、マーケティング用語としてのサイドカントリーは、あくまでスタイルや遊び方の一種として捉えると、なんとなくガッテンがいくわけです。とはいってもですよ、非管理区域としての「バックカントリー」という言葉が定着している以上、「サイドカントリー」というと、どうしても同じレイヤーの言葉だと感じてまいます。フィールドの種類を指す言葉ってことですね。

このエリアはバックカントリーか、それともサイドカントリーか、なんて議論があちこちからあがるようになった日にはもうオーマイガーですね。パウダー業界の終焉です。なんつって。

ということで、この辺は業界の皆様方にはヘンな方向へミスリードしないようにお願いしたいと思うわけですが、一言に業界といっても、物販やメディアに近い方々と、ガイドなどのより現場に近い方々では意見に相違があるんじゃないかとも思えますので、そのへんはスルー。まぁこれもオイラのただの小言ですからね、正直、現時点での善し悪しはよくわからねっす。(ってここまで書いておいてマジかよオレ)

日本だとまだ早すぎるだけかもしれないサイドカントリー

ただ、サイドカントリーの生みの親はK2とかORなのでアメリカ生まれだと言えると思いますが、海の向こうではもしかしたらいい感じなのかもしれません。文化や考え方など、土壌や環境が違いますからね。それともやはり色々と議論はあったりするのでしょうか。そしてヨーロッパの方はどうなんでしょうか。色々と知りたいところですね。(誰か教えてくださいませ!)。この辺りの状況などを、ぜひ、業界メディアで取り上げて欲しいところです。変なバイアスなしにね。

他でうまくいってるなら、日本も日本に合ったやり方で、新たなフィールドをカテゴライズできるのかもしれません。将来的に、全ての人のリテラシーの向上と様々な管理技術により、フィールドとしてのサイドカントリーが確立できるのであれば、それはステキなことだと思いますので。

なんだかんだ言っても、要するに

とはいえ、あくまで現状を見ていると、今の日本のシーンにサイドカントリーの言葉や概念を持ち込むのは、なんとなく早いという気がします。まぎらわしのでいらないという気もします。気がするだけなので説得力ありませんが、まぁ上に書いたようなことからそんな気がしています。

ということで、あーだこーだと言ってきましたが、簡単にまとめると、現段階ではサンドカントリーなんて言葉はなくなってしまえぇ!露出を減らしてフェードアウトしてしまえぇぇ!!と思っているオイラなのであります。そう、ただそれを言いたかっただけなのさw。

ふぅ、スッキリ。小言っていったわりにはダラダラと長くなってしまいましたね。最後までお付き合いしていただいたみなさま、ありがとうございまする。ではまた。

Happy Powder Days!