先日、世界的に権威ある地図帳「タイムズ世界地図帳(The Times Comprehensive Atlas of the World)」の第13版が発行されたようですが、新たに改訂されたグリーンランド氷床の分布について、なにやら議論が巻き起こってるようですよ。
出版元の英ハーパーコリンズの発表によると、グリーンランド氷床については、1999年発行の第10版と比べて15%縮小している、と述べているようですが、これに対して英ケンブリッジ大のスコット極地研究所(Scott Polar Research Institute)が異論を唱えているようです。「そんなに縮小してないから訂正しておくれ」と。
AFPの記事によると、ハーパーコリンズは「15%」という数字に対しては間違いを認めたらしいですが、地図自体は正しいと言ってるようですね。
が、スコット極地研究所の人たちは、「地図も間違ってんじゃね」と言ってるようです。いくつか関連リソースを。
ケンブリッジ大:
Scientists raise concerns regarding erroneous reporting of Greenland ice coverスコット極地研究所:
Scientists still concerned about the latest Times Atlas map of Greenland
ちなみに下の画像(出展:スコット極地研究所)ですが、左がタイムズの地図で、右が今年2011年8月の衛星画像。衛星の等高線は氷の厚さ500m毎のラインで、赤が0mで氷が消失してるライン、青が500mライン。タイムズが示す氷床エリアは、この青の500mラインと合致していて、よって赤から青、すなわち0〜500m厚の氷の分が省かれているとのこと。ん〜、なるほどね。
この件に関して海外では色々と報道されているようですが、日本の場合、AFPの記事以外だと、こちらのブログがとてもわかりやすく参考になりました。
それにしてもこの件、確かにまだまだ議論が続きそうですね。